朝日新聞デジタル 12月18日(火)9時56分配信
月や太陽による引力が東日本大震災発生の「引き金」になっていた可能性が高いことを、防災科学技術研究所の田中佐千子研究員が明らかにした。東北沖で36年間に発生した地震について引力との関係を調べたところ、2011年の震災が近くなるにつれ、引力の影響が強いときに地震が集中していることがわかった。
引力の影響が強いときに地震が頻発するのは、エネルギーがたまった断層に力が加わるためと考えられ、引力の影響と地震の頻度を調べることで、巨大地震が迫っているかどうかが分かるかもしれないという。
月や太陽の引力によって、地球は伸び縮みを1日2回繰り返す。地表面が20センチ程度上下し、地震を起こす断層にも影響している。その力はプレートのひずみと比べ1千分の1程度と小さいが、田中さんはこの力に注目。東日本大震災を引き起こした断層のある長さ500キロ、幅200キロの地域で、1976~2011年に起きたマグニチュード(M)5.0以上の地震約500回分を分析した。
2012年07月24日19時44分
提供:読売新聞
文部科学省は24日、各都道府県で実施する大気中からの降下物に含まれる放射性物質の測定結果を公表した。
東京電力福島第一原子力発電所事故のあった昨年3~12月までの試料を分析した結果、岩手県から神奈川県にかけた10都県で、2000年以降の水準(1平方メートル当たり0・3ベクレル)に比べて高い値の放射性ストロンチウムが検出された。同省によると、同事故で広がった可能性が高いという。
各都道府県では雨や風で降下したちりなどを集めて、それに含まれる放射性物質を測定している。00年以降の水準を超える値のストロンチウム90が検出されたのは岩手、秋田、山形、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川の計10都県。福島、宮城両県では土壌を採取した別の調査で既に放射性ストロンチウムが確認されている。
今回の調査での最大値は、茨城県ひたちなか市で昨年3月1か月間に採取された1平方メートル当たり6ベクレル。大気圏内核実験が盛んだった1960年代前半に観測された最大値の60分の1程度で、同省は「健康への影響はほとんど考慮しなくていい」としている。
「皆さん、どうぞ~、コチラです~」
行く先々で施設を案内してくれたのは、若くてキレイな女性社員たちだった――。
東電が4日、報道陣に公開した福島第2原発。震災で「レベル3」の深刻事態に陥り、今なお復旧作業の真っただ中だが、予想外の“ほのぼのムード”に、記者は思わず拍子抜けした。
未曽有の事故を起こした第1原発から南に約12キロ。施設に向かうバスの外には、住人がいなくなり朽ち果てた家屋、荒廃した田畑が延々と広がっていた。地獄のような光景だ。それなのに、敷地の中に一歩入るとまるで別世界。原発作業員はほとんど見当たらない。設備を説明する男性社員も終始なごやか。報道陣には放射能を防ぐマスクと手袋が配られたが、敷地内でマスクをしている東電社員はほぼゼロ。「マスクはしなくても大丈夫ですよ。私たちも作業のとき以外は着用しませんから」とノンキなもので、極めつきが、エスコート役の美女たち……。
すっかり安心しきった報道陣からは、「ちっとも危なくないじゃん」の軽口も聞かれたが、バカも休み休み言え! だ。
前線基地の「Jヴィレッジ」で報道陣が通されたのは、作業員がひとりもいない小ぎれいなホールだった。しかし、外に目を向けると、過酷な事故現場から汗だくになって戻ってきた作業員たちの姿。肩で息をしながら、被曝(ひばく)線量チェックに列をなしていた。
東電はそんなところは一切見せようとしない。作業員に話を聞くことも許さない。決められた場所を、決められた時間通りに公開しただけ。厳しい実態は包み隠し、ひたすら安心ムードを演出したのである。
これじゃあ、都合のいいところだけ見せようとする北朝鮮ツアーと同じだ。
2日午前、福島第一原発6号機の地下の配電盤から煙が出ているのが確認された。配電盤は電源を切られ、煙は収まっているという。 「東京電力」によると、2日午前10時20分頃、福島第一原発6号機のタービン建屋地下1階で、弁を開け閉めする圧縮空気をコントロールする系統の点検を終えて電源を入れた直後、制御盤から白い煙が上がっているのが確認された。現場の作業員がすぐに電源を切るとともに、地元の消防に通報した。 電源を切った直後に煙は収まり、原発周辺のモニタリングポストなどにも異常は見られないという。
震災復興を手助けするボランティアツアーに数多くの参加者が集まった昨年。加えて今年は、新たなニーズが見られるという。名鉄観光サービス東北営業本部に問い合わせたところ「“被災地を見学したい”“観光で支援したい”といった需要が増えていると感じます」とのこと。なかでも注目したいのは、被災者が当時の状況を語る「語り部ツアー」だ。
JTBが販売する『復興 南三陸と名湯鳴子温泉 平泉・松島・山寺 3日間』は、観光をメインに据えつつ被災地区を見学し、震災を体験した語り部に話を聞くプラン。被災地区にあるホテルに泊まったり、仮設店舗で営業するお店に立ち寄ったりするなど、被災地の経済を支援するコース設定になっている。
夏休みには別の予定もあるけど、どうにか参加したいという人には、日帰りプランがオススメ。JR東日本の『南三陸町福興市(ふっこういち)応援ツアー』では、地元商店街と南三陸町が復興のシンボルとして毎月開催している福興市や仮設商店街「さんさん商店街」で買い物をしたり、語り部のもとを訪れ、震災の話を聞いたりできる。
ツアー旅行は苦手という人は、地元団体が主催する企画に現地で参加してはどうだろう。NPO法人体験村・たのはたネットワークが主催する『大津波語り部&ガイド』は、岩手県田野畑村の被災状況を見学しながら、1時間ほどかけて、語り部ガイドから震災当時の話を聞くというもの。直接予約ができるので個人で参加が可能だ。担当者によると参加者から「実際に見ることでまだまだ厳しい状況だということがわかった。テレビだけでは伝わらないこともある」といった感想を述べられることが多いという。
募金やボランティアだけでなく、現地での消費も地域経済にとっては重要だ。また当時の話を聞いて心に刻むことで、あの日を風化させないことも、僕らにできることのひとつではないだろうか。
(笹林 司)
(R25編集部)
東京電力の社内事故調査委員会の最終報告書は、福島県飯舘村などを汚染した放射性物質の主要な放出源は2号機だったと断定した。だが損傷箇所や放出経路は不明のまま。高い放射線量や汚染水に阻まれ、現地調査ができていない場所も多く、“謎”が残った。
報告書は、第1原発から大気中に漏れた放射性物質の総量を約90万テラベクレル(テラは1兆)と推定した。最も多いのは2号機で、約4割を占める。昨年3月15日には約18万テラベクレルが放出され、飯舘村など北西方向の汚染要因になったと結論づけた。
だが、2号機は1~4号機で唯一、水素爆発しておらず、原子炉建屋も見た目は無事だ。放射性物質がどこから、どのように外部に漏れたかはっきりしない。放射性物質を外部に逃すベント(排気)が成功したかどうかも不明で、大きな謎になっている。
2号機では同3月15日午前6時すぎ、爆発音とともに圧力抑制室の圧力が急低下。当初、2号機で爆発が起きたと考えられていたが、その後の地震計の解析で、爆発があったのは4号機と判明した。
一方、午前7時ごろから、第1原発の正門の放射線量は急上昇し、数時間で毎時数百マイクロシーベルトから約1万マイクロシーベルトまで跳ね上がった。ほぼ同じころ、定点カメラには2号機周辺に白い煙のようなものが写っていた。報告書は「格納容器から直接、汚染度の高いガスが建屋経由で漏洩(ろうえい)した」と推定したが、放出経路の詳細は分かっていない。2号機は今年3月の内視鏡調査で、格納容器の水位が約60センチと判明。汚染水が今も漏れ続けていることはほぼ確実だが、どこが、どのように損傷しているかは不明だ。
また、地震の原発への影響は「ほとんど認められない」と結論づけた。津波が来るまでは原発のデータに異常がなかったことや、津波被害が少ない5、6号機で、重要機器に損傷がなかったことを根拠とした。
ただ、「汚染水や放射線の問題から建屋や地下の機器の確認は現在は困難」との実情も認め、「1~3号機の調査は限定的で未確認事項もある」と結んだ。